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2023年度

2023年度

【探究授業支援】大谷中学校 1年生 (神奈川県海老名市)
2024-03-18
昨年末に海老名市立大谷中学校で3年生を対象に探究授業を実施しましたが、今年に入り、3月に1年生を対象に探究型授業を実施しました。
 
【学校・対象学年】
神奈川県海老名市立大谷中学校 1年生
 
【探究テーマ】
産業への影響を考えてみよう
 (身の回りで使われているものが、どのように役に立っているのかを学び、自分たちで考えたアイディアを発表)
 
【実施プログラム】
コピー機のひみつをさぐれ!~光と色の3原色~
 
【日程】
3月4日(月) プログラムを実施 ”コピー機のひみつをさぐれ!~光と色の3原色~”
3月4日~3月18日 先生主導での生徒たちの探究タイム
3月18日(月) 生徒たちの発表会

こちらのプログラムでは、コピー機(複合機)の読み取りと出力について学んでいただきます。
人間が絵を描くときは、目で風景を見て、頭で考えて、描きますが、コピー機も同様にコピー機の目の部品で原稿を読み取って、頭となる部品で考え、出力するという基本的な流れをイラストを見せながらわかりやすく説明しました。

原稿を読み取る部品をマイクロスコープ(顕微鏡)で拡大すると見える「赤・緑・青」色のフィルターがあります。
光の3原色を体験していただくために、赤・緑・青のフィルムを貼った懐中電灯の光を白い画用紙の上で重ね合わせます。
光が重なっている部分について、色が変わっていることを実験を通して学びます。
 
コピー機では光の3原色(赤・緑・青)のフィルターに分けて読み取ったものを、色の3原色(シアン・マゼンタ・イエロー)に変換して出力しています。
このことを実際に体験していただくため、使用されている3色(+黒)のトナーで印刷されたそれぞれのOHPフィルムをライトボードの上に重ねて置き、原稿と同じ色になることを確認する実験をします。
また実際に使用されているトナーと呼ばれる粉のインクも見ていただきました。
 
最後の実験として、カラーコピーされた色の部分をマイクロスコープで拡大して観察する実験をします。

実験をしていた時の生徒たちの表情は、最初こそ「ふ~ん」という感じでしたが、実際にトナー(粉状のインク)を見たり、印刷された色の部分を拡大して4色の大小の点が確認できたりすると、あちこちで「おおっ!」とか「へぇ~!」などの声があがりました。
 
手を動かして体験・観察すると、子どもたちの目がキラキラするのは、中学生になっても変わらないんだなぁ・・って思いながらキャラバンメンバーはその様子をみつめていました。
 実験や観察体験では海老名テクノロジーセンターや横浜仲町台事業所から社員ボランティアも参加し、生徒と一緒に楽しみながらサポートしてくださいました。
 
生徒たちからは“コピー機の(カラーの)仕組みを知れてよかった”、“原稿とカラーコピーとの画像比較パネルで(実験・観察することで)わかりやすさが倍増した”、“カラーコピーはまさかの点の集合体になっていてびっくりした”、など普段みることのない体験を通じていろいろ感じたようです。
 
その後、3/18(月)に行われた生徒たちの発表会に参加してきました!
今どきの中学生がテーマに向かってどのようなアイディアを考え、探究した内容を聞くことができるのか、ワクワクしながら学校に行きました。
 
発表形式は、5~6名がひとつのグループとなり、その中で生徒が各自考えたアイディアを資料にまとめてグループ内で発表します。
生徒が一人ひとり考えて発表してもらいたいという先生の思いから、この形となりました。
発表者の良かったところをメッセージカードに書いて伝え、生徒たちはお互いに褒めあっていました。
 
各グループ同時平行で進められたため、すべての発表を聞くことはできませんでしたが、中学生らしいアイディアがたくさん出ていたようです。
 
<生徒たちからのアイディアの一部>
DNAプリンター
タイムマシン
どこでもドア
ソーラーモバイルバッテリー
行きたい場所の景色が
すぐ見れる機械
太陽光発電
靴コプター
3Dホログラムで恐怖マシマシ
お化け屋敷
話したことを自動的に
メモしてくれる機械
補聴器機能付イヤホン
着せ替えカメラ
スマホプロジェクター
 
その中でも「すごい!」と思ったのはDNAプリンターを発表してくれた生徒。
3Dプリンターにヒントを得たようで、IPS細胞のデータをDNAプリンターに転送してクローンをつくる…というものです。
イラストやアニメーションを駆使して、わかりやすく説明していました。
さらには、いずれ医療などにも使えれば…という将来的な活用方法も発表されていて、とてもレベルの高い発想力に驚かされました。
 
また、”行きたい場所の景色がすぐ見れる機械”や”話したことを自動的にメモしてくれる機械”など、既にTHETA360.bizでのバーチャルツアーやPekoe(聴覚障がい者向けコミュニケーションサービス)などリコーで実用化されている製品に類似したアイディアを発表した生徒もいました。
 
※THETA360.biz ➡ https://www.theta360.biz/
    Pekoe(聴覚障がい者向けコミュニケーションサービス)➡ https://pekoe.ricoh/
 
すべての生徒がそれぞれのアイディアを発表した今回の形式、大勢の前での発表ではないため、生徒たちは終始リラックスできたようです。
イラスト・アニメーションを活用して、自信をもってジェスチャーを交えながら熱の入った発表をしていた生徒もいて印象的でした。
 
まだまだ中学1年生という若いうちから制約なき発想をもって探究していく・・・主体的な学びにつながる学習をしていくことは、彼らにとってとても良い経験になるだろうなぁと思いながら学校をあとにしました。


4色の色を重ね合わせて原稿と同じようになるんだ
絵を描くとき、人は目で見て、頭で考えて、そして描きます
”①見る”の部品がコピー機の目に当たる部品です
カラーコピーされた色の部分を拡大すると4色の大小の点が見えます!
社員ボランティアも丁寧に説明します
トナーボトルを振ってみると…どうなるかな?
グループの中で発表だったことで終始リラックスした様子で話していました
発表後は、よいところをカードに書いて発表者をほめます
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