2023年度
【探究授業支援】大谷中学校 2年生 (神奈川県海老名市)
2024-03-22
今年度は、海老名市立大谷中学校1年生~3年生の全学年で、それぞれ異なるプログラムでの探究型授業の実施依頼を受けていました。
昨年11/28に3年生を対象に“SDGsを学んでみよう 環境:エネルギー編”を、今年3/4には1年生を対象に“コピー機のひみつをさぐれ!~光と色の3原色~”を実施しましたが、その2日後には2年生でも実施しました。
【学校・対象学年】
神奈川県海老名市立大谷中学校 2年生
【探究テーマ】
未来のプリンターを考えてみよう
【実施プログラム】
インクジェットプリンターとあそぼう!
【日程】
3月6日(水) プログラムを実施 ”インクジェットプリンターとあそぼう!”
3月6日~3月19日 先生主導での生徒たちの探究タイム
3月21日(木) 生徒たちの発表会
【参加者数】
159名
初日の授業ではサイエンスキャラバンのプログラム「インクジェットプリンターとあそぼう!」を実施。
身近で使用している印刷機器には主なものとしてコンビニや学校などで使用されている複合機(コピー機)、そして家庭で使われているインクジェットプリンターやレーザープリンターなどがあります。
主な機器をの紹介したところで、インク吐出方法にはそれぞれ違いがあること“圧力や電気を使って液体のインクで印刷するインクジェット方式(インクジェットプリンター)”と“静電気やレーザー光線を使って粉状のトナーで印刷するレーザー方式(複合機やレーザープリンター)”について説明して、理解していただきました。
インクジェットプリンターでは、電圧をかけると伸びる圧電素子を使ってインクを押し出すピエゾ方式と、ヒーターでインクを沸騰させてできる泡でインクを押し出すやり方の2種類が主な吐出方法であることを紹介しました。
その後、東京大学の先生に特別に作っていただいたインク吐出シーンを拡大した動画を視聴してもらい、どれだけ小さい穴から吐出されるのか、実際の部品であるインクジェットヘッドを見てもらいました。
マイクロスコープ(顕微鏡)で、インクジェットヘッド部品を拡大します。
肉眼ではまったく穴のようなものは確認できません。
拡大すると見ることができますが、髪の毛の半分ほどの細さといわれています。
その後は、インク量の調整をどのようにいしているのか、また実際のインクジェットプリンターの仕組み、色の3原色(シアン・マゼンタ・イエロー)とブラックのインクが吐出され紙に付着する動画を視聴していただきました。
今回の実験は以下の3つになります。
- インクジェットヘッドを約135倍に拡大したと想定してスポイトに入った色水を20㎝程度の高さから紙に書かれた的を狙う “まと当て実験”
- 4色(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)で印刷されたOHPフィルムをライトボードの上で重ねて、原稿と同じようにする“色重ね実験”
- マイクロスコープで印刷物のさまざまな色の部分を拡大して観察してみる“色拡大実験”
生徒たちは、工夫しながらそれぞれの実験を楽しんでいたようです。
そして2週間後の3/21には、生徒たちのアイディア発表会。
探究テーマは“未来のプリンターを考えてみよう”
生徒たちからはユニークなアイディアのプリンターが、クラスごとに大体8つのグループに分かれて発表されました。
発表は、“ターゲット”や“目的”が明確に話され、仕組みや使用方法の他、設計図までしっかり書いていたグループもあったようです。
中にはプリンターではなく、ピエゾやインク吐出技術を活用した別の製品のアイディアもあり、それぞれのユニークな発想にいまどきの中学2年生の考えていることが知れたようでう楽しかったです。
以下、生徒たちのアイディアの一部を紹介します。
ピエゾ注射 | 点字印刷機 | どこでもカラプリ | ハイパー自動塗装機 |
床発電 | 目薬ゴーグル | 完璧手術機械 | タトゥプリンター |
ハンディプリンター | メイクプリンター | 3Dボールプリンター | ヘアープリンター |
過去にリコーで販売したハンディプリンターを発表してくれた生徒もいてうれしかったです。
まだまだ若い生徒たち、今回の探究型授業をきっかけとして、いろいろなことを探究しながら学んでいってほしいなと思います。